お知らせ
松村内視鏡外科部長が第8回腹腔鏡下胆道手術研究会で総胆管結石の腹腔鏡下手術を報告しました
第8回腹腔鏡下胆道手術研究会 那覇市基本手技をふまえたLCBDEのpitfallの克服
東北労災病院 内視鏡外科 ○松村直樹、野村良平、徳村弘実
当院では1991年以降、腹腔鏡下胆管結石切石術(LCBDE)を第一選択としており、752症例に施行した。代表的な短期成績として、開腹移行は13例(1.7%)、遺残結石は13例(1.7%)で概ね良好であった。LCBDEを完遂するにはいかにpitfallに陥らずに、安全に再現性の高い術式を心掛ける必要があり、あらゆる局面に対応できるように基本手技を確立しておくことが重要である。LCBDEには「経胆嚢管法」と「胆管切開法」がある。少数、小結石が「経胆嚢管法」のよい適応で第一選択としている。それ以外は「胆管切開法」とする。「経胆嚢管法」は切石ルートが胆嚢管なのでカニュレーションが必須の手技である。すなわち、胆嚢管を可能な限り全長にわたり剥離し、heister弁を直線化しすることで手技が可能となる。これができないと、自ずと「胆管切開法」を選択せざるを得なくなる。さらに、Cチューブを挿入できないので胆汁漏のリスクが高くなる。いずれにせよ、胆嚢管へのカニュレーションは重要な手技となる。「胆管切開法」は積み上げ結石などの切石困難例に遭遇することがある。このような症例で心掛けているのは効率よく切石し、かつ遺残結石のないようにすることである。すなわち、胆道鏡下の切石に加え、生理食塩水によるフラッシュやEHLによる破砕なども時間の短縮化につながる。最終的には遺残結石が発生した場合の患者侵襲を最小限にするためにTチューブを挿入する。
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