東北ろうさい病院臨床研修プログラム
1.研修プログラムの理念と目的
研修医が臨床医として必要な基本的診療知識・技能を修得し、医師としての望ましい態度、習慣そして考え方を身につける事にある。具体的には、内科、外科、麻酔科、小児科、産婦人科そして精神科のプライマリ・ケアから、救急などの臨床を経て、通常みられる疾患に対処できる幅広い知識・臨床能力を修得する。そして、多くの指導医から指導を受けながら日常の臨床の中で研鑚し経験を積む。臨床研修病院の指定基準に基づいた到達目標を達成する。
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2.各科研修プログラムの特徴
内科、外科、麻酔科、救急、小児科、産婦人科そして精神科において通常見られる疾患に対処できる幅広い知識、臨床能力を修得する。さらに希望によりその他の研修として診療科をどれでも選択できる。選択科としては、呼吸器、循環器、消化管、肝胆膵、糖尿病、心療内科、リハビリテーション科、外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科、産婦人科、放射線科、救急、地域保健、脳血管内科がある。研修の記録・評価についてはオンライン臨床教育評価システム(EPOC2)を利用し、すべての研修について評価を行い、評価をフィードバックし、研修を改善する態度を身につける。
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3.研修計画
- 研修期間は2年間とし、臨床研修に専念する。4週を1クールとして区切り、1年次13クール、2年次12クールとする。
- 原則として、1年次に、内科・総合診療科・外科・麻酔科・小児科を研修し(必修科目)、2年次に救急部門・産婦人科・精神科・地域医療(必修科目)を研修する。残りの期間が自由選択となるが、1年次は1年次の必修科目を追加して選択することが望ましい。
- 内科は6クール(24週)以上
- 外科は1クール(4週以上)
- 麻酔科、小児は1クール(4週以上)
- 産婦人科は、協力型病院である横浜労災病院、東北公済病院、仙台医療センター、東北大学病院から選択して1クール(4週以上)研修する。
- 精神科は、協力型病院である東北会病院で1クール(4週)研修する。
- 地域医療は、仙台往診クリニック、吉成台内科胃腸科、秋田労災病院から選択して1クール(4週)研修する。
- 選択科の期間は10ヶ月である。院内の全ての診療科から選択することが可能であり、研修の更なる充実にあてる。また、救急医療についても、選択科の研修期間内のうち2ヶ月間(東北大学病院)選択できる。
脳血管内科についても選択科目として研修可能である。
年次 | 診療科 | 研修期間 | 研修内容 |
---|---|---|---|
1年目 (必修科目) |
内科 | 5クール (20週以上) |
胃腸内科、肝臓科、循環器、呼吸器、糖尿病・ 代謝内科をローテーション |
総合診療科 | 1クール (4週以上) |
総合診療科にて研修 | |
外科 | 1~2クール (4~8週) |
消化器外科、乳腺外科、大腸肛門外科、 から選択してローテーション |
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麻酔科 | 1~2クール (4~8週) |
東北ろうさい病院内における研修 | |
小児科 | 1~2クール (4~8週) |
東北ろうさい病院内における研修 院内小児科研修修了者は、希望により 宮城県立こども病院での研修(2ヶ月以内)を 追加選択できる。 |
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1年目 (選択科目) |
主に必修科目 | 4クール (16週) |
1年次は必修科目を追加して選択することが望ましいが、基本的に全科より選択可能。 |
2年目 (必修科目) |
救急部門 | 2クール (8週) |
東北大学病院内における研修 |
産婦人科 | 1~2クール (4~8週) |
東北公済病院、横浜労災病院、 仙台医療センター、東北大学病院から 選択して研修 |
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精神科 | 1~2クール (4~8週) |
東北会病院で研修 | |
地域医療 | 1~2クール (4~8週) |
仙台往診クリニック、吉成台内科胃腸科、 秋田労災病院から選択して研修 |
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2年目 (選択科目) |
各診療科 救急部門 地域保健 脳血管内科 |
7クール (28週) |
必修科目も含め全科より自由に選択可能である。 また、東北大学での救急研修(2ヶ月)および 広南病院での脳血管内科研修(2ヶ月以内)、 地域保健(1ヶ月)も選択できる。 |
※一般外来研修は、総合診療科及び内科・外科ブロック研修時に並行実施。東北労災病院またはJCHO仙台病院にて研修。
備考
- CPCについて 隔月1回(年6回)当院にて実施。
- 関連する複数の診療科については、内科:消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、肝臓科、糖尿病代謝内科、から適宜選択。外科:消化器外科・大腸肛門外科・乳腺外科から選択。また、整形外科・呼吸器外科は2年次に適宜選択、なお到達目標に未達成がある場合は到達目標達成のために必要な診療科を割り当てることがある。
- 研修協力施設での研修は最大2ヶ月とする。
4.指導体制
1.研修管理委員会
委員会は、研修プログラムの作成、研修プログラム相互間の調整、研修医の管理及び研修医の採用・中断・修了の際の評価等臨床研修の実施の統括管理を行う。委員会の構成員は下記のとおりである。(2021年度委員)
- 委員長
- 成島 陽一 外科部長
- 副委員長
- 小山 二郎 総合診療科部長
- 委員
- 井樋 栄二 副院長・統括整形外科部長
千葉 靖 小児科部長
岩川 力 麻酔科部長
赤田 昌紀 救急科部長
榊原 智博 第二呼吸器内科部長
松谷 重恒 脊椎外科副部長
町田 知美 心療内科副部長
半田 朋子 胃腸内科副部長
佐藤 馨 外科医師
臨床研修医 (2年次)
臨床研修医 (1年次)
長沼 民子 看護副部長
藤井 学 事務局次長
榮 美憲 総務課長
阿部 彰彦 研修担当
草苅 陽子 医局秘書 - 外部有識者
- 綿谷 秀弥 池田クリニック理事長
森川 昭正 ㈱メディカル・ブリエ代表取締役 - 協力型臨床研修病院の研修実施責任者
- 久志本 成樹 東北大学病院
松永 竜也 労働者健康安全機構 横浜労災病院
金 仁 東北会病院
田野口 孝二 東北公済病院
新倉 仁 仙台医療センター
藤原 悟 広南病院
奥山 幸一郎 労働者健康安全機構 秋田労災病院
虻川 大樹 宮城県立こども病院
渡邉 崇 地域医療機能推進機構 仙台病院 - 臨床研修協力施設の指導責任者
- 川島 孝一郎 仙台往診クリニック
山崎 日出男 吉成台内科胃腸科
林 敬 仙台市保健所長
峯岸 正好 宮城県赤十字東北ブロック血液センター
2.プログラム責任者
プログラム責任者は、次に掲げる事項等研修プログラムの企画立案及び実施の管理並びに研修医に対する助言、指導その他の援助を行う。
- 研修プログラムの原案を作成すること。
- 研修医ごとに臨床研修の目標の達成状況を把握し、研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の修了の時までに、すべての研修医が臨床研修の目標を達成できるよう、全研修期間を通じて研修医の指導を行うとともに、研修プログラムの調整を行うこと。
- 研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の終了の際に、研修管理委員会に対して、研修医ごとに臨床研修の目標の達成状況を報告すること。
3.指導医
指導医は、研修プログラムに基づき直接研修医に対する指導を行う。また、研修医に対する評価を行い、プログラム責任者に報告する。
5.研修医の業務
- 勤務時間は原則として8時15分から17時までとする。ただし、受け持ち患者の状態あるいは救急患者の受け入れなどのために上記勤務時間外に診療にあたることがある。
- 指導医のもとに、主として入院患者の担当医として診療を行う。
- 指導医のもとに、原則的に月4回以内の当直にあたる。時間外救急患者の初期診療にあたる。
- 教育に関する行事:研修中の科で行われる教育行事にも時間の許す限り、積極的に参加することが望ましい。
※定期的な教育カンファレンス:初期研修医向けプライマリ・ケア講習会年12回、CPC年6回、病理研究会24回、各科合同カンファランス、術前検討会、ビデオカンファランス、症例検討会:当院内医師のみで討論、イブニングカンファランス、肝疾患検討会、超音波検討会、金曜会など:市内病院医師、医院医師を含めた合同討論
6.臨床病理カンファランス(CPC)
- 東北ろうさい病院では過去30年にわたり、剖検が数多くなされてきており、それらの臓器のマクロのカラースライドと臨床データを含むサマリーおよび病理診断書がきちんとファイルされている。その中には希有な症例や教育的な症例など、貴重な症例も多数ふくまれている。
- 同様に病理診断をされた症例も診断書と標本が完全に保存されており、過去に遡って病歴を知ることができる。
- 現在は隔月、年6回の割合でCPCが開かれているが、その際、研修生は基本的には自分の経験した症例の剖検例に関して、主治医の指導のもとに臨床的な診断の進め方や治療方針を学び、CPCでのプレゼンテーションを行う。最後に病理診断をふまえての臨床各科の医師と病理医の双方のディスカッションに参加して症例の反省をする。
7.研修の記録及び評価
- 研修医は研修医手帳を作成し、研修内容を記録し、病歴や手術の要約を作成する。指導医は、研修目標の到達状況を適宜把握する。
- プログラム責任者は研修医の目標到達状況を適宜把握し、研修医が終了時までに到達目標を達成できるように調整を行う。研修管理委員会に研修目標の達成状況を報告する。
- 病院長は、研修管理委員会が行う研修医の結果を受けて、研修終了証を交付する。
- 研修医を評価すると同時に、指導医をも評価する。
8.定員及び選抜基準
- 1.募集定員
- 1年次 10名、2年次 10名
- 2.募集方法
- 公募(マッチングシステムを利用する)
- 3.採用方法
- ア)応募書類
(ア)臨床研修申込書兼履歴書 (イ)卒業(見込み)証明書 (ウ)成績証明書 - イ)選考方法
面接・小論文(選考日事前提出) - 4.募集及び選考の時期
- ア)募集時期 研修開始前年度6月上旬より
イ)選考日 同 8月上旬
※ 詳細日程・実施方法は 6月に公開する募集要項を確認ください。 - 5.研修開始時期
- 4月1日
9.研修医の処遇
- 1.常勤又は非常勤の別
- 常勤の嘱託職員として採用する。
- 2.研修手当、勤務時間及び休暇に関する事項
- ア)研修手当
1年次 300,000円(手当含まず) 440,000円程度(諸手当含む見込)
2年次 320,000円(手当含まず) 490,000円程度(諸手当含む見込) - イ)勤務時間
基本的な勤務時間は、月曜日~金曜日の8:15~17:00の8時間勤務(休憩時間45分)とする。 - ウ)休暇
休暇は、下記のとおりとする。
土曜日、日曜日、国民の祝日、有給休暇【雇用期間の初日を起算として、1年につき12日の年次有給休暇を受けることができる。】、夏季休暇(5日)、年末年始(12月29日~1月3日)、7月1日(健康と福祉の事業創立記念日) - エ)なお、研修期間中の一切の兼業(アルバイト)を禁止する。
- 3.時間外勤務及び当直に関する事項
- ア)時間外勤務
(ア)平日及び休日に時間外勤務を行う場合がある。
(イ)時間外勤務を行った場合は、労働基準法に準拠して割増賃金を支給する。
- イ)当直
・当直を月4回の範囲内で行う場合がある。
・当直を行った場合は、当院の給与規程に準拠して当直手当を支給する。
(4月分は見習い当直の為、5月分の当直(支払は6月給与時)より支給開始。) - イ)当直
- 4.宿舎及び病院の個室の有無
- ア)宿舎
(ア)当院の近隣に宿舎を借り上げ、宿舎使用者より毎月一部負担金を徴収する。自ら居住するための民間等住宅を借りる場合は、住宅手当を支給(支給要件あり)する。
(イ)病院内の個室の有無については、病院内に研修医専用の個室を確保する。
- 5.社会保険・労働保険
- ア)公的医療保険
独立行政法人労働者健康安全機構の健康保険組合に加入する - イ)公的年金保険
厚生年金保険及び確定給付型企業年金(任意)に加入する。 - ウ)労働保険
労働者災害補償保険及び雇用保険に加入する。 - 6.健康管理
- 年1回健康診断を実施する。(電離放射線による被曝の可能性のあるものは年2回)
- 7.医師賠償責任保険
- 当院で加入する。
- 8.外部の研修活動
- ア)学会・研究会への参加 参加できる。
イ)参加費用の支給の有無 年1回参加費用を支給する。 - 9.図書、雑誌、インターネット等が利用できる環境
- ア)図書及び雑誌
国内図書 500冊、国外図書 600冊
国内雑誌 35種類、国外雑誌 44種類 - イ)インターネット等が利用できる環境
(ア)Medlineの文献データベースが利用できる。
(イ)BM情報検索・診療サポートツールのDynaMed Plusを利用できる。 - ウ)医学教育用機材
(ア)医学教育用シミュレーターを利用できる。
10.研修プログラムに関する問い合わせ先
1.研修プログラムに関する問い合わせ先
成島 陽一 委員長(プログラム責任者・外科部長)
〒981-8563 仙台市青葉区台原四丁目3番21号
Tel 022-275-1111 Fax 022-275-4431
研修担当
e-mail:
URL: https://www.tohokuh.johas.go.jp