宮城県仙台市の総合病院 独立行政法人労働者健康安全機構 東北ろうさい病院(とうほくろうさいびょういん)

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各科研修プログラムの特徴

内科、外科、麻酔科、救急、小児科、産婦人科そして精神科において通常見られる疾患に対処できる幅広い知識、臨床能力を修得する。さらに希望によりその他の研修として診療科をどれでも選択できる。選択科としては、呼吸器、循環器、消化管、肝胆膵、糖尿病、リウマチ膠原病、心療内科、リハビリテーション科、外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科、産婦人科、放射線科がある。すべての研修について評価を行い、評価をフィードバックし、研修を改善する態度を身につける。以下各科の研修内容の特徴を記載する。

1.内科

内科の各診療科をローテイトし全人的立場で基本的診察法、基本的検査法、基本的治療法、基本的手技、救急処置法、文書記録、診療計画評価などを習得し、研修すべき病態・症状・疾患を経験するとともに、指導医のもとで主要な疾患についてのレポートを作成する。

具体的には、1年次には呼吸器、循環器、消化器(胃腸内科・肝臓科)、糖尿病科などの主要な科を原則的に4~8週間ずつローテイトする。2年次の選択科は、呼吸器内科、循環器内科、胃腸内科、肝臓科、糖尿病・代謝内科、腫瘍内科、高血圧内科、リウマチ膠原病、心療内科、脳神経内科(広南病院)などの科より希望に応じて選択可能であり、専門性の高い、密度の濃い研修が望まれる。

胃腸内科

1年次では腹部の所見の見方、腹痛の考え方などの基本的事項の修得に始まり、腹部超音波検査や消化管造影法、内視鏡検査などの消化器疾患に対する基本的検査手技を修得する。指導医とマンツーマン体制でcommon diseaseを中心に4~6名の入院患者を受け持ち、カルテの記載、検査や処方の指示、レポートの作成やサマリーの記載などを学ぶ。

2年次は専門医を目指す上で初期の礎を築く、最も重要な期間であり、原則的に8~12週の研修期間とする。内視鏡専門医は勿論、消化器専門医や消化器外科専門医を目指す研修医には必須の選択肢である。原則的に指導医とマンツーマンで代表的疾患について受け持ち、検査・治療についても主治医として対応することが望まれる。週一回の胃腸内科外来を担当し、それ以外の曜日は内視鏡外来や救急当番を担当しながら専門的な手技や知識を習得する。

2.呼吸器科

基本的な胸部X線写真の正確な読影を基本に、気管支喘息、肺炎などの一般的呼吸器疾患の診断と治療について経験する。感染性疾患、悪性腫瘍から職業性肺疾患まで幅広い疾患のケアに参加する。気管支喘息発作時治療をはじめ、急性呼吸不全などの救急医療についても人工呼吸器を駆使し多くの経験を積む。

指導医の下で入院患者さんの診断法や検査手順を研修する。また、基本的薬剤の投与法と処方の仕方、点滴、抗生剤使用、血液ガスの活用の知識と採血技術の習得など課題は多い。

病棟で指導医とともに10症例を受け持ち、1年次の研修内容を更に深め高度にする。胸腔穿刺、胸腔ドレーン挿入、緊急気管挿管、気管切開などを経験する。気管支鏡検査では、積極的に参加することにより気管支鏡操作を習得できる。

慢性閉塞性肺疾患者の呼吸器リハビリを理学療法士とともに取り組む。また、気道過敏性試験など肺機能検査の習熟と肺病態生理の深い理解を体得する。

3.循環器科

指導医とともに、入院患者の診療を通じ、循環器の基本的な知識と技術を学び、基本的な救急診療のトレーニングを行う。心臓カテーテルでは、術者として参加し、指導医のもとで穿刺法とカテーテル操作技術のトレーニングを習得し、検査後の管理、検査後の治療方針を学ぶ。

心臓電気生理学的検査法を用い、不整脈の診断、治療を経験する。心臓超音波検査を指導医とともに行い、その検査技術とともに心臓病の診断と治療方針を適確に行えるようにする。ホルター心電図の解析と診断を習得する。それにより、不整脈、虚血性心疾患の診断を経験する。高度医療技術(PTCA、PTCR、ペースメーカー植え込み術、IABPなど)を用いた治療法のトレーニングを受ける。

本態性高血圧症患者の多様な病態の評価、診断、治療方針を学習する。また、腎性、腎血管性、副腎性高血圧などの二次性高血圧の正しい診断、治療法を研修する。24時間血圧測定と当院独自の自律神経検査など、先進的技術を駆使した質の高い高血圧診断と治療学を学ぶ。

また、最新機器を用いた動脈硬化の診断法と予防循環器病学の基礎的学習を行う。外来診療では、指導医のもとで循環器科医師として、初診から、診断、検査、治療を行う。入院患者については、自らが担当医としての診療を行う。当科での検査に関しては、さらに積極的に参加する。

4.糖尿病代謝内科

糖尿病は、高血圧についで多い疾患であり、予備軍を含めると4人に1人と言われている国民病です。どの科を専攻するとしても糖尿病の患者さんの治療をしなければならないので、血糖管理の習得が必要になることは言うまでもありません。

初期研修の間に糖尿病最前線の診療を見ておくことをお勧めします。また糖尿病患者は感染症をはじめいろいろな合併症を呈するので、他科と連携し他科の疾患も同時に経験することが可能です。本研修では、境界型、2型糖尿病、1型糖尿病、劇症1型糖尿病、緩徐進行1型糖尿病、妊娠糖尿病、およびその他の糖尿病(二次性)の診断や病態生理を実際の診療を通して習得します。インスリン抵抗性やインスリン分泌不全など糖尿病の病態に応じた薬物療法(インスリン、GLP1アナログ、SU剤、BG剤、TZD、グリニド、αGI、DPP4i、SGLT2i)の実践を習得します。食事療法、運動療法の理論と実践も学びます。

高血糖昏睡時のインスリン持続注入療法や低血昏睡の緊急対応ができると共に低血糖に関する正しい知識を身につけ、さらにシックデールールを含めた患者教育・指導について習得します。細小血管障害合併例では網膜症、腎症、神経障害、糖尿病壊疽時の検査、診断、治療について学びます。糖尿病は、心血管障害、脳血管障害などの動脈硬化性疾患も高率に合併しますので、動脈硬化の予防、検査、診断、治療などについても習得します。

さらに血糖管理困難例についてはCGMによる24時間血糖モニタリングを行い、1型糖尿病ではSAPによる血糖管理も導入していきます。糖尿病性昏睡、周術期における血糖管理などについても習得します。当科は日本糖尿病学会認定教育施設ですので、日本糖尿病学会専門医の取得を希望する方は、3年目以降も後期研修医して専門医による指導により十分な症例数も経験できるよう配慮します。

5.リウマチ科

研修目標:膠原病(関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど)とその類縁疾患、およびそれらの合併症を理解し、診断・治療する能力を育成する。

ア)外来新患の予診
診察方法・診断に至る考え方の研修
イ)入院患者の診療
診断過程、検査計画、治療方針の研修
ウ)検査の実習
唾液腺造影や筋生検などの検査の見学・実習
エ)臨床講義
指導医による系統的な講義
オ)臨床病理検討会
臨床と病理の対比による症例の理解
カ)抄読会
論文(英文誌)からの最新の知識の習得
キ)外科的治療の研修
整形外科との合同ミーティング、手術の見学による関節リウマチ総合診療の理解

6.指導を行う医師名

大原秀一、濱田史朗、小林智夫、三浦元彦、鴇田藍、畠山 明、他

2.外科

基本研修としての外科研修は必要な基本的知識、技能を修得するとともに、望ましい態度と習慣を身につける。チーム医療における医師および他の医療メンバーと協調する習慣を身につける。

具体的には、消化器外科と乳腺外科、大腸肛門外科を計8週、各指導医のもとに以下の内容を研修する。基本的な局所麻酔と外科手技を身につける。外科的治療や手術のための各種の採血法(静脈血、動脈血)、採尿法(導尿法を含む)、注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射、点滴、静脈確保法を含む)、穿刺法(胸腔・腹腔穿刺を含む)の適応決定と実施。簡単な外科的治療法(局所浸潤麻酔、簡単な切開・摘出・止血・縫合法、包帯・副木・ギプス法、滅菌・消毒法を含む)。通常よくみられる外科的疾患や外傷をもつ患者に対して、各能力を総合的に適用し、外科的に判断、処置できる問題解決力。

手術に参加し手技を学び、助手としての役割を理解しそれを果たす。術前術後の管理として、手術前の患者の基礎的管理能力を身に付ける。術後の状態把握、バイタルサイン(意識、体温、呼吸、循環動態、尿量など)のチェックができる。術後起こりうる合併症および異常に対して基礎的な対処ができる。重症管理として、人工呼吸(口-口、アンビュー、気管内挿管)および胸骨圧迫式心マッサージができる。気管切開の適応を考える。レスピレータを装着し、調節できる。必要な薬剤を適切に使用できる。大量出血に対策を講じることができる。末期患者の病態生理と心理的状態とその変化を学び末期患者の治療を身体的だけでなく、心理的、社会的な理解のうえで行う。

1.指導を行う医師名

成島 陽一、高橋 賢一、他

3.麻酔科

1.研修目標

基礎研修としての麻酔科研修(8週間)では麻酔指導医のもとに、手術症例を対象として麻酔手技と必要な臨床薬理学、呼吸・循環・神経・内分泌などの病態を学び、特に生命を維持する上で最も基本的な気道確保法(マスク換気法、ラリンジアルマスク挿入法、気管内挿管法)は確実に身に付ける。

麻酔科での知識・技術は臨床医として有用であり、緊急事態においても慌てず対処できるようになることを目標とする。

2.研修内容

麻酔に必要な知識・技術を手術症例の麻酔管理を通して修得する。スパイロメトリー、心電図、血液検査などのデータから術前評価を行い、麻酔指導医の指導のもとで、監視モニターの装着、末梢静脈を確保し、静脈麻酔薬、筋弛緩薬、吸入麻酔薬などを駆使して、全身麻酔法と術中・術後管理を実践する。

局所麻酔法では、脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔(腰部および仙骨部)の手技・管理法を修得する。他に経鼻的気管内挿管、観血的動脈圧測定、中心静脈カテーテル挿入法(内頚静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈)などの手技については、その研修期間中に症例があれば学ぶことができる。心マッサージなどの救急心肺蘇生法については人形で学び、症例があれば実践する。

3.到達目標

  • ア)術前回診での診察、病歴、検査データなどから全身状態を把握し、手術術式を考慮の上、麻酔法の選択、輸液、輸血、モニタリングなど術中・術後管理の計画が立てられる。
  • イ)麻酔に関与する薬物の薬理作用を理解し、適切に使用できる。
  • ウ)麻酔の基本的手技として気道確保(特に気管内挿管)、人工呼吸、脊髄くも膜下麻酔、腰部硬膜外麻酔ができる。
  • エ)麻酔時のモニターの意義と適応を理解し、呼吸・循環・体液管理など全身管理ができる。
  • オ)心肺蘇生法を理解し、実践できる。

4.指導を行う医師名

岩川 力、他

4.救急部門

1.研修内容等

  • ア)救急外初療、集中治療に指導医とともに参画する。
  • イ)カンファレンス、抄読会に参画する。
  • ウ)具体的な習得手技
    救命救急処置、救急患者診療手順、縫合法を含む創傷管理、機械呼吸管理、中心静脈路の確保、スワンガンツカテーテル・PiCCOなどによる循環管理、血液浄化法、栄養管理など

2.研修到達目標

  • 救命初療を実践できる。
  • よくある救急傷病患者の初期対応を実践できる。
  • 生命徴候の把握と重症度、緊急度診断を実践できる。
  • 重度侵襲患者の経過中の病態変動を理解、説明できる。
  • 呼吸循環・栄養・感染管理を理解、説明できる。
  • ACLS( advanced cardiovascular life support )、JATEC( Japan advanced trauma evaluation and care )の修得

3.指導を行う医師名

東北大学病院 久志本茂樹、他

5.小児科(東北ろうさい病院、宮城県立こども病院)

小児医療は新生児から思春期までの人生のわずか十数年間を対象にしている。しかし心身の発育・発達は日々ステップアップしていくものであり、そこには多くの遺伝・環境要因が関与する。即ちそれぞれの日齢、月齢、年齢に合わせた評価と対応が必要であり、この点が小児科の存在意義と言える。

こどものLife(生命と生活)全般に関わるのが小児科であり、一個人からこれほど多くの学びを得られる領域は他にはあるまい。まさに小児科は医の原点である。院内小児科にて必修科目としての研修を行う。院内小児科研修修了者のうち意欲のある者に関しては、希望により宮城県立こども病院における研修(8週以内)が追加選択できる。

1.一般目標

  • ア)日常よくみられる小児疾患に対し、初期診療を行うために必要な基本的能力(知識・技能・態度)を身につける。
  • イ)患児の持つ問題を医学的、心理的、社会的側面からトータルに把握する能力を身につける。

2.行動目標

  • ア)患児ならびに養育者と良好な人間関係を築くことで適切な医療面接を行い、病歴および診療上必要な情報を得ることができる。
  • イ)小児の発育・発達とその異常に関する基礎知識を習得し、患児と養育者の状態に配慮した適切な理学所見がとれる。
  • ウ)指導医とともにインフォームド・コンセント、インフォームド・アセスメントの考え方に基づいた適切な説明と指導ができる。
  • エ)遭遇する機会が多い小児疾患を多く経験し、必要な検査の選択と評価、病態に応じた治療計画の作成、採血・血管確保・注射(皮内、皮下、筋肉、静脈注射)・導尿・腰椎穿刺・吸入療法などの処置や投薬を行うことができる。
  • オ)入退院の適応を判断できる。また適切な時期に専門医へのコンサルテーション、他施設への患者紹介することができる。
  • カ)小児救急疾患を診療する上での最低限の知識を身につけ、上級医に引き継ぐまでの間に必要な初期対応を選択することができる。
  • キ)予防接種外来・乳児健診外来に参加し、予防医学の重要性と育児支援について説明することができる。母子手帳の内容を理解し診療に役立てることができる。
  • ク)適切な診療録の記載、文書の作成を行うことができる。
  • ケ)チーム医療の原則を理解し、他の医師および医療メンバーと協調して診療を行うことができる。

3.学習方略

  • ア)外来診療:指導医の下で主に新患の診療を行う。医療面接・診察を実施し検査・診断・処置を行う。治療を立案し入院の適応を判断する。適切に診療録を記載し、入院の場合は診療計画を作成する。予防接種外来・乳児健診外来に参加する。
  • イ)病棟診療:指導医とともに担当医としてすべての入院患児について病棟回診を行い、入院時からの病状の変化を把握し診療録に記載する。必要な検査・処置・治療・コンサルテーション等を行い、また退院の適応を判断する。退院時サマリーを作成する。
  • ウ)小児救急診療:仙台市小児科二次救急輪番当番日の診療に積極的に参加し、指導医の下に紹介および救急搬送患児の診療に当たる。
  • エ)宮城県立こども病院では、より専門性の高い疾患について指導医の下で研修を行う。

4.指導を行う医師名

千葉 靖、高柳 玲子、沼田 美香
宮城県立こども病院 虻川 大樹、今泉 益栄、内田 俊彦 他

6.整形外科

整形外科は四肢体幹の機能再建外科学であり、人々が日常生活を快適に暮らせるようになることを目標に治療に当たる診療科である。当院では、手術患者を入院対象としているので、筋・骨格系のほとんどの手術例を体験できる。人工関節手術と肩関節の手術は東北地方では、最多である。

整形外科疾患群の治療をとうして、整形外科の基礎的知識、診察法、処置、検査、手術について学ぶ。7人の専門医と3人の医師が3グループに分かれて診療に当たっているので、4週ごとにrotationして各分野を研修することになる。全般研修として、整形外科疾患の診察法、病歴の取り方、画像の読み方、症例のpresentationの方法、関節造影と脊髄造影法の実施、術前術後管理、手術の基本的知識と技術について学ぶ。

外傷などの救急患者の来院時には、専門医とともにその診断と治療に参加する。4週ごとに1例の症例報告を各グループの指導者に提出する。1、2年次に経験する各グループでの研修する整形外科疾患は下記のようなものである。

1.グループ1

関節リウマチに対する人工関節置換術(肩、肘、股関節、膝関節)を主体とした手術法、変形性関節症に対する人工関節置換術(肩、膝、股関節)、各人工関節の緩みに対する人工関節再置換術、骨折の治療

2.グループ2

腰椎疾患に対する手術法(ヘルニア摘出術、開窓術)、骨軟部腫瘍の治療、股関節と肘関節疾患に対する人工関節置換術と関節形成術および再置換術、末梢神経障害に対する電気的診断と手術法(肘部管症候群、手根管症候群など)、各部位の骨折治療

3.グループ3

頚椎、胸椎、腰椎の脊椎疾患(ヘルニア摘出術、開窓術、脊柱管拡大術、脊椎固定術)と脊髄損傷に対する手術的治療、関節リウマチの脊椎手術、肩関節疾患に対する手術法、肩関節と膝関節のスポーツ障害に対する関節鏡視下手術法、各部位の骨折

4.指導を行う医師名

信田進吾、日下部 隆、他

7.耳鼻咽喉科

1名ないし2名の指導医と共に行動し、一般的な臨床医が身につけるべきである耳鼻咽喉科の初歩的な診療、検査、手術などを経験する。専門的な診療の概要を理解し、急患として取り扱う機会の多い鼻出血、急性中耳炎、めまい、扁桃炎などに対する適切な初期対応ができること、さらには耳鼻咽喉科・頭頚部外科の専門医に紹介すべき疾患の判定ができるようになることを目標とする。

これまでの耳鼻咽喉科診療は、対象とする部位が狭く深いという特徴があって、短期間の研修では指導しにくいきらいがあった。しかし、内視鏡や画像モニターの普及により額帯鏡・喉頭鏡などを使えるようになるという大きなハードルを回避することもでき、3ヶ月程度の短期の研修でもこのような目標を達成することができる。特に意欲のある者に対しては、さらに高いレベルの研修も適宜考慮する。

1.指導を行う医師名

渡邉 健一 織田 潔、他

8.眼科

一般の外来業務に携わることがメインとなる。まず眼底検査、細隙灯検査、視力測定に習熟する。そして屈折検査、眼圧検査、視野測定等外来一般検査を実際に行う。日常よく遭遇する各種疾患の理解を深める。例えば白内障はどのように手術適応を決定し患者さんに説明しているか、糖尿病性網膜症をどう診断し、どのように管理しているか、緑内障スクリーニングの仕方はどうしているか、それから白内障手術、眼科一般小手術、網膜光凝固術の見学など。

眼科は一般に人の生死にあまり関わらず楽な科と思われがちである。しかし治療を受けた結果が見えるか見えないかというあまりにも明確な答えでくっきり評価されてしまう過酷な面もある。日頃どのように我々スタッフがそのストレスと戦っているか、そして不幸にも治療の効果なく見えなくなっていく人たちをどうフォローしているかを見ていただけたらと考える。

1.指導を行う医師名

植松 恵

9.泌尿器科

当科の特徴は診断より治療(外科的および内科的治療)まで継続して行われることである。従って、短期間にそれら全てを修得することは困難である。しかし、泌尿器科を研修することは、将来、内科系または外科系のいずれに進もうとも、その臨床能力の幅を広げることは確かである。まず、各種検査法(内視鏡検査、X線検査、超音波検査、尿水力学的検査、各種生検法等)を研修する。次に泌尿器科疾患の診断法と治療法(特に内科的治療)を修得する。

最後に外科的治療法としての各種内視鏡下手術(腹腔鏡下手術)、泌尿器科悪性腫瘍手術、一般泌尿器科手術、尿路形成および機能再建手術などの適応を修得し、各種手術を助手として経験する。当科患者の特徴は悪性腫瘍、前立腺肥大症、尿失禁、高齢者の排尿障害、脊損患者の尿路管理、尿路結石、尿路感染症、小児尿路奇形等と幅広く、それらの患者のケアに指導医とともに参加する。

1.指導を行う医師名

浪間孝重、阿部優子、他

10.皮膚科

3-6ヶ月の皮膚科研修を希望するものには、皮膚科の中で最も他科の臨床医が遭遇する日常的皮膚疾患について、診断と治療を学び稀で珍しい皮膚疾患との違いがおおよそ区別できるようにすることを目標とする。具体的には指導医とともに外来診療を学び入院患者の治療を行い、診断にいたる思考過程及び検査法などを学ぶ。

1.指導を行う医師名

谷田宗男、他

11.放射線科

1.単純X線写真、CT、MRI、核医学検査などの各種画像診断法の基本的な読影法を習得する。まず正常断層解剖、加齢変化、normal variants等を知り、検査法に特有のartifactも理解する。次に、異常影の適切な表現法を学ぶ。異常影の成り立ちを基礎から理解し、各種のサインを覚えていただく。それぞれの検査法の特徴、画像の信頼性と限界、その疾患を診断するうえでの感度や特異度などを知らないと適切な検査法を選択できないので、画像診断におけるdecision treeを、各臓器や疾患ごとに整理して理解していただく。

2.血管造影およびその応用による血管内治療(IVR;インターベンショナルラディオロジイ)の基本的技術および知識を習得し、専門医の指導下に助手として検査・治療手技を試行する(ほぼ毎日)。

3.放射線治療に関しても、その適応・照射計画・実施法などを学び、各種悪性腫瘍の治療に参加していく(1~2日/週)。

4.指導を行う医師名

濱 光

12.リハビリテーション科

当院のリハビリテーション科の入院患者の約半数は脳卒中であり、約半数は脊髄損傷である点が特色といえる。他に、切断の患者も少数であるが取り扱っている。リハビリテーション医学は疾患別ではなく、障害科学であるので、上記以外にも疾患にかかわらず、診療の対象となっている。その一例としては慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーション訓練も行っている。

1.研修内容

ア)障害構造の理解
障害は機能、能力そして(社会)参加の三つの階層を基本に理解する。研修の第一は障害の構造の理解である。
イ)障害評価を行う
臓器の機能だけではなく個人の能力そして社会経済的背景をも考慮した評価を学ぶことになる。
ウ)リハビリテーションプランの作成
評価をもとに障害を持つ人の社会復帰に至るまでの医療的介入プランを作成する方法を学ぶ。
エ)治療法の理解
(ア)運動療法の理解:運動療法の目的と実際を理解し運動処方を作成する。
(イ)物理療法の理解:各種温熱療法、水治療法あるいは電気治療の内容、適応、禁忌を理解し処方する。
(ウ)作業療法の理解:作業療法の特質を理解し作業療法の処方をする。
(エ)言語療法:言語療法の内容を理解し言語療法の処方をする。また嚥下訓練を理解し処方をする。
(オ)技師装具療法:義肢装具の特徴を理解し、適切な装具処方を行う。
(カ)チーム医療の理解:評価会議に出席し、各職種からの情報を統合することを学ぶ。各職種間のコミニュケーションを円滑に推進する。
(キ)社会資源の利用:家庭復帰、復職あるいは復学を目的として外部の諸機関との連絡調整を行い、患者指導を行う。

2.研修計画

12週コースでは副主治医としてスタッフ医師のもとで上記の研修を行う。ケースカンファレンスに医師として参加する。運動療法、作業療法および言語療法についてそれぞれ1週ずつ見学する。

6ヶ月コースでは、部長の指導のもと2~3人の入院患者を主治医として受け持つ。ケースカンファレンスを主催する。なお本コースでは運動療法、作業療法および言語療法についてそれぞれ2週ずつ体験する。

3.指導を行う医師名

小松 恒弘

13.病理・検査科

1.研修目標

  • ア)臨床診断に必要な病理学や検査の知識の習得に努める。
  • イ)気の解釈に必要な検査の進め方を修得する。
  • ウ)治療効果の判定や反省を病理学的に行い、治療に役立つ力を養う。

2.研修内容

  • ア)手術標本の切り出し方、固定の仕方、パラフィンブロックの標本の作製の仕方、染色の仕方を実習する。
  • イ)検査科の生理検査や生化学、血清、血液検査の実習と検査データの読み方を修得する。
  • ウ)生検および外科切除検体の標本の病理診断の仕方、診断書の読み方、病理学的鑑別診断、それらの臨床への生かし方を学ぶ。
  • エ)剖検を実際に経験して、その肉眼所見や組織所見を通して病態の理解を深めると共に治療効果や副作用の有無を学ぶ。
  • オ)細胞診の読み方と臨床診断の関係を学ぶ。
  • カ)CPCや外科病理カンファレンスを通して、疾患の理解を深めると共に、臨床上の問題点や疑問点を解決する。
  • キ)症例報告に必要な病理学や検査の知識を勉強する。

3.指導を行う医師名

岩間 憲行

14.産婦人科(横浜労災病院、東北公済病院、仙台医療センター、東北大学病院)

1.産科

指導医の元で正常妊娠、正常分娩の管理、取り扱い方を覚え、それにもとづいて異常妊娠(例えば切迫流産の管理、治療、流産の処置、子宮外妊娠の診断と手術を含めた治療など)について学ぶ。更に異常分娩(例えば切迫胎児仮死、第2期遷延などによる吸引分娩、児頭骨盤不均衡などに基づく帝王切開術など)について習得する。

2.婦人科

婦人科的器質疾患(主に子宮、卵巣などの良性、悪性腫瘍、)について超音波断層法検査、細胞診、組織診検査の診断、手術を含めた治療手技について習得する。またホルモン異常に基づく疾患(例えば更年期障害、不妊症、無月経など)の診療、性行為感染症を含めた炎症疾患の診断、治療法などにつき習得する。

3.指導を行う医師名

横浜労災病院
松永 竜也、他
東北公済病院
田野 口孝二、他
仙台医療センター
新倉 仁、他
東北大学病院
八重樫 伸生、他

15.精神科(東北会病院)

1.研修目標

  • ア)基本的な精神科面接技術の理解。
  • イ)精神科領域の疾患の理解。
  • ウ)精神症状に対する薬物選択の基本的知識の習得。

2.研修内容

  • ア)一般精神医学の体系的修得をする。
  • イ)精神科面接による問題点の把握をする。
  • ウ)基本的な精神疾患の治療および薬物治療の習得をする。
  • エ)一般臨床の場における精神医学および心理社会的要因への応用が可能な能力の養成を目標とする。

3.研修方法

  • ア)研修期間…4週
  • イ)研修場所…東北会病院
  • ウ)研修方法…午前中は主に外来部門(新患診察場面、デイケア、各種集団精神療法など)、午後からは入院病棟での研修が主となる。当院は機能別に4病棟が管理運営されており、1週間ごとに各々の病棟医や主治医が教育に当たる。

4.研修の評価と記録

  • ア)研修期間終了時に研修記録およびチェックリストを提出する。
  • イ)臨床研修委員会が評価をする。

5.指導を行う医師名

東北会病院
石川 達、金 仁 他

16.脳血管内科(広南病院)

1.研修目標

  • ア)基本的な脳血管内科の理解。
  • イ)脳血管内科領域の疾患の理解。
  • ウ)脳血管内科に対する基本的知識の習得。

2.研修内容

3.研修方法

  • ア)研修期間…原則 4週(最大でも8週以内)
  • イ)研修場所…広南病院

4.研修の評価と記録

  • ア)研修期間終了時に研修記録およびチェックリストを提出する。
  • イ)臨床研修委員会が評価をする。

5.指導を行う医師名

広南病院
藤原 悟、他

17. 一般外来(内科・外科・JCHO仙台病院)

1.研修目標

症候や疾病・病態についての臨床推論プロセスを経て解決に導く。

2.研修内容

内科・外科でのブロック研修時に、週1回程度当該診療科の外来にて診療にあたる。

3.研修方法

ア)当院
  • 内科あるいは外科外来にて、紹介状を持たない紹介患者あるいは紹介状を有していても臨床問題が特定されていない初診患者を診察する。
イ)JCHO仙台病院
  • 原則として2年次に2週間相当の10回を実施する。
  • 午前中に指導医とマンツーマンで無紹介新患や若干の再来患者(フォロー外来)の診察にあたる。1日に2~5件程度を想定する。
  • 患者さんの許可があれば、録音あるいはビデオ撮影し、午後にコミュニケーション技法などのフィードバックを行う。また、外来で得たクリニカルクエスチョンをEBMに則り検索し、ミニレポートを提出する。

4.指導を行う医師名

大原秀一、成島陽一、小山二郎 他

JCHO仙台病院
渡邉 崇

18.地域医療(仙台往診クリニック・吉成台内科胃腸科・秋田労災病院)

1.研修目標及び研修内容

  • ア)診療所の医療の現場を体験することにより、病診連携をどのように進めたらよいか肌で感じてもらう。
  • イ)診療所と病院との間の疾患の違いを知る。
  • ウ)病院へ紹介するときには、ある程度診断がついているケースもあるが、診療所に訪れる患者は千差万別で、その中から重症化しそうな患者を早く見つけ出す能力を磨く。
  • エ)患者の初診から最後までを見届け、その疾患の経過を実際に体験する。

2.指導を行う医師名

仙台往診クリニック
川島 孝一郎 他
吉成台内科胃腸科
山崎 日出男
秋田労災病院
奥山幸一郎 他

19.保健・医療行政

1.仙台市保健所青葉支所

ア)研修の目的

診断・治療という臨床的診療行為にとどまらず、健康増進活動を基盤とした地域保健ないし職域保健、プライマリケアからリハビリテーション、福祉サービスにいたる連続した包括的な保健医療を実践する。

イ)保健所研修内容
  • ア)地域保健・健康づくりの場としての保健所および市町村保健センターの機能、役割の理解および関係法規の理解
  • イ)地域保健活動の理解と実践
  • ウ)健康づくり活動の理解と実践
  • エ)結核・エイズ等感染症対策の理解と実践
  • オ)精神保健福祉業務の理解
  • カ)難病対策の実際
  • キ)生活保護制度と被保護者の実態
  • ク)福祉サービスの理解と実践(介護保険法)
  • ケ)食品衛生業務の理解(食中毒防止対策)
  • コ)環境衛生業務の理解
  • サ)医療機関への立ち入り検査
  • シ)新たに保健所に求められている機能の理解(健康危機管理、児童虐待防止対策等)
ウ)指導を行う医師名

林 敬

3.宮城県赤十字血液センター

ア)研修目標
  • ア)血液製剤は、特定生物由来製品と改正薬事法で定義され、潜在的に内在する危険性を理解すると共に、適正使用の必要性を理解する。
  • イ)血液製剤の製造から供給に至る高い公共性と倫理性を理解する。
  • ウ)国内自給を目指す日本の献血制度、血液製剤の安全性確保対策、供給体制の実際を理解する。
イ)研修内容
  • ア)献血者確保対策における国及び都道府県、血液センターの役割を理解する。
  • イ)血液製剤の安全性確保ための、献血基準、問診の重要性、ウィルス検査について理解する。
  • ウ)検診業務を通じて、献血者・輸血用血液製剤の安全性確保を理解する。
  • エ)採血時の消毒方法、apheresisの原理を習得する。
  • オ)輸血用血液製剤の種類、調製方法を理解する。
  • カ)血液製剤の保管、管理方法を理解する。
  • キ)県内医療機関への供給体制、全国的な需給管理体制について理解する。

2.指導を行う医師名

峯岸 正好

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