宮城県仙台市の総合病院 独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院(とうほくろうさいびょういん)

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薬剤部

基本理念

当薬剤部は理念のもと、薬剤師21名、事務員3名の計24名で外来・入院での内外用薬及び注射薬の調剤業務に加え病棟薬剤業務(服薬指導を含む)、薬歴管理(持参薬を含む)、医薬品情報提供を行っています。また、抗がん剤、抗体製剤およびTPN輸液の無菌調製業務を薬剤部で行っています。化学療法センターに薬剤師を配置し、入院前から退院後までシームレスな薬学管理を目指しています。

感染対策(AST、ICT)、緩和ケア(PCT)、栄養管理(NST)、褥瘡ケア(PUT)、糖尿病などの医療チームに積極的に参加し最新の情報を医療スタッフと共有し、患者さんへの治療がより効果的で安全に行えるように活躍しています。

各領域の学会・協会から認定を受けた(医療の専門領域や薬物治療に関する高度な知識・技能を有する)薬剤師の育成に注力し、薬学6年制実務実習生を積極的に受入れ(6名×3期:計18名)、薬学・医療技術の高度化、医薬分業に伴う医薬品の安全使用に応じた薬学教育にも寄与しています。

公開勉強会や保険薬局間のWebミーティングを定期的に開催し、地域の薬剤師のスキルアップと薬薬連携の強化に取り組んでいます。



  • 日本病院薬剤師会
     がん薬物療法認定薬剤師研修事業 暫定研修施設
  • 日本医療薬学会
     がん専門薬剤師制度 がん専門薬剤師研修施設
  • 日本臨床栄養代謝学会
     栄養サポートチーム(NST)専門療法士認定教育施設

「薬あるところに薬剤師あり」を実践し、
患者さんに安心と安全を提供します

セントラル業務

調剤・鑑査

処方箋・注射箋に基づき、年齢や体重、腎機能などの検査データを確認し、必要な際には医師に疑義照会をした上で内服薬・外用薬・注射薬の調剤を行っております。調剤された薬は鑑査をした上で病棟への払い出しを行っております。

無菌調製

外来及び入院の抗がん剤は安全キャビネットにて調製をしております。
また、完全静脈栄養(TPN)や無菌的な調製が必要な院内製剤についてもクリーンベンチや安全キャビネット内で調製をしております。

病棟業務

当院ではHCUを含む全病棟に担当薬剤師を配置し、患者さんの治療方針や問題点などを十分把握した上で、医師・看護師などの他職種で情報を共有しながら、安全で効果的な薬物療法が行なわれるように努めています。

主な業務内容

全患者さんを対象に入院時の持参薬の内容、アレルギーの有無、サプリメント服用の有無を確認し、入院後の治療に反映出来るようにしています。

薬剤師がベットサイドに訪問し、治療上必要とされる薬について、その必要性、用法用量、副作用の可能性、服用にあたっての注意点について説明しています。

薬の効果や副作用、腎臓や肝臓の検査値、薬物血中濃度などを確認しながら、患者さんに適した投与量や投与方法の設計に関わっています。

薬歴管理をおこなうことにより、持参薬との相互作用や重複投与を未然に回避し、さらに輸液では点滴のルート、速度などを管理もすることにより配合変化によるトラブル発生防止に努めています。

抗菌薬適正使用支援チーム (AST) ・院内感染対策チーム (ICT)

抗菌薬適正使用支援チーム (AST)

ASTは、感染症に対する治療効果の向上や耐性菌出現のリスク減少を目的に、抗菌薬適正使用を支援するチームです。当院では2015年にASTを立ち上げ、複数のプロトコルを導入しながら薬剤師主導で抗菌薬治療の最適化に努めています。

メンバーは医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師等で構成され、薬剤師は複数名参加し活動しています。

当院のAST薬剤師は、主に以下の業務を実施しています。

  • 主治医からの感染症例の治療相談応需(AST薬剤師を相談窓口としています)
  • 広域抗菌薬投与例、血液培養陽性例等に対するモニタリングと治療支援
  • 監視抗菌薬サーベイランスおよびAST活動状況の院内感染対策委員会への報告
  • 臨床研修医に対する教育(抗菌薬レクチャー)、抗菌薬適正使用支援に関連した院内研修の開催
  • 全国及び宮城県内における抗菌薬サーベイランスへの参加、他施設からの相談応需
院内感染対策チーム (ICT)

ICTは院内感染防止を目的に感染症動向等を把握し、感染対策を適切に実行するためのチームです。メンバーはAST同様に構成され、耐性菌検出情報に基づいた病棟ラウンド等を実施し、現場への教育・啓発を行っています。

耐性菌検出時は治療対象とすべきか主治医とともにICT薬剤師が評価を行ったり、とるべき感染対策も併せて助言しています。

当院のICT薬剤師は、主に以下の業務を実施しています。

  • 定期的な環境整備ラウンド(現場への啓発、指導)
  • 耐性菌検出時における感染防止対策や消毒薬に関する各種コンサルテーション応需
  • 耐性菌検出患者の把握および院内ラウンドによる感染対策実施状況の確認と指導
  • ICTや院内感染対策部会を中心とした職員に対する感染対策の教育・啓発
  • 連携施設との各種感染対策情報の情報共有と相互チェック

緩和ケアチーム(PCT)

PCTでは医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、音楽療法士など多職種が共同してがん患者さんの様々な苦痛を軽減するために活動しています。緩和ケアは「末期の治療」という誤解が強いですが、痛みなどの身体的苦痛・気持ちの辛さなどの精神的苦痛・仕事や金銭面での社会的苦痛などはがんの初期から存在するものであり、抗がん剤治療と並行して緩和ケアを提供しています。その中で薬剤師は、症状に応じた薬剤の提案、腎機能など身体状況に応じた投与量の調整の提案などを行っています。緩和ケアチームはがん患者さんが最期までその人らしく過ごせるようサポートをしていきます。

栄養サポートチーム(NST)

良好な栄養状態を保つことと、病気の回復には深い係わりがあります。ですが、入院患者さんの中には思うように食事が摂れない方や、点滴などの力を借りて栄養を補っている方が少なくありません。 NSTは患者さんの栄養状態を多職種で把握し、より良い栄養状態とすることで回復を早めるお手伝いをしています。

当院のNSTは医師、歯科医師、栄養士、看護師、薬剤師が参加しています。その中で薬剤師は点滴や栄養剤の選択など薬剤に関する部分を中心に係っており、患者さんの回復に役立つよう努力しています。

認知症ケアサポートチーム(DST)

DSTでは、入院に伴う環境変化や身体異常によりせん妄や不眠をきたしている患者さん、認知機能が低下している患者さんに対して多職種で病棟ラウンドを行い、それぞれに合った薬物治療や対応方法を提案しています。

薬剤師は患者さん一人ひとりの使用薬剤や既往歴、身体状況を把握した上で、使用可能な薬剤を検討します。また、他職種での介入により多角的な提案を行うことで、安全な入院生活を送り原疾患の治療をスムーズに進めるためのサポートを行っています。

褥瘡対策チーム(PUT)

当院の褥瘡対策チームは医師、看護師、薬剤師、栄養士等メンバーで構成されています。褥瘡は様々な要因により発生します。褥瘡のある患者さんのベッドサイドに訪問し、褥瘡の処置、薬剤の選択、保護の方法、環境調整や栄養状態についてカンファレンスを行います。褥瘡のある患者さんの処置を行うスタッフへ、ケアの指導、助言も行い、褥瘡管理の向上を図る目的で活動しています。薬剤師は薬学的管理を行うことにより褥瘡のリスク軽減や治癒促進のサポートをしています。

呼吸ケアサポートチーム(RST)

RSTは主に人工呼吸器の早期離脱や呼吸療法の安全性と質の向上を目指し、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士など多職種が専門知識を持ちより、呼吸療法に介入するチームです。薬剤師は主に呼吸管理時に使用される鎮静・鎮痛薬などの薬物療法が、より安全でより効果的なものに繋がるよう努めています。

排尿ケアチーム

疾患や手術で尿道カテーテルが入った入院患者さんの中で、尿道カテーテル抜去後の下部尿路機能障害がある患者に対して他職種で関わっています。

泌尿器科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師が連携して、排尿自立可能性と下部尿路機能評価、ならびに包括的排尿ケアを行っています。

薬剤師は、患者さんの服用している薬などの服用状況を把握し、下部尿路機能障害の副作用がある薬の抽出や泌尿器科の薬と相互作用等がないか確認し、処方提案を行います。

糖尿病教室

当院では糖尿病患者さんやその家族、糖尿病に興味がある患者さんを対象に糖尿病教室を開催しています。医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師が日替わりで実施しており、薬剤師は月に2回講義を担当しています。

糖尿病の内服薬やインスリンなどの注射に関しての講義だけでなく、高血圧や脂質異常症の治療薬についても講義に取り入れています。

また、インスリンなどの注射薬開始時には薬剤師が自己注射指導を行っています。

外来がん薬物療法のサポート

当院では外来化学療法センターに薬剤師が常駐しております。主に点滴の抗がん薬治療をなさっている患者さんに治療薬や副作用対策として処方されているお薬について説明や副作用の確認を行っております。また、内服の抗がん薬治療を開始する患者さんに、お薬の飲み方や副作用とその対処法について説明しております。また、治療中の不安や心配事の相談にも応じ、安心して治療を続けられるよう主治医や看護師、保険薬局と連携してサポートします。

医薬品情報(DI)業務

医薬品は、日々新たな情報がもたらされますが、情報はただ受け取るだけでは機能しません。受け取った情報を、必要な場へ、わかりやすい形に加工し、提供することが大切です。また、医薬品に関する問い合わせがあれば、随時対応し情報提供も行います。このような、医薬品情報に係る業務全般を行っているのがDI業務です。

また、医薬品は実際に患者さんの元へたどり着いて初めてその効果が発揮されます。中には予期せぬ作用(=副作用)が起こることもあり得ます。逆に、期待以上の効果が発揮されることもあります。

この、薬を使用することにより実際に起きた様々な出来事を収集、分析することも重要な業務の1つです。これを共有することで、より良い薬物療法へと繋げられるよう日々努力しています。

治験業務

当院では、薬が使えるようになるまでに有効性や安全性を調べる試験が行われる「治験」を行っており、治験を安全に行っていくために治験審査委員会が設置されています。委員は医師、薬剤師、事務、弁護士から構成されています。薬剤部では事務局業務も行っており、新しい治験の開始や治験の実施が円滑に実施できるように治験コーディネーター(CRC)と共に医師と患者さんをサポートしています。

新人教育

先輩薬剤師が新人薬剤師をマンツーマンで指導・教育するプリセプター制度を導入しています。業務の指導・教育はもちろん、仕事に対する不安や悩みなど精神的な面でのサポ―トも行い、習得度に応じてステップアップしていける制度になっています。

プリセプター制度は新人にとっての教育制度であると同時に、プリセプターの成長の機会にもなっています。入職から数ヶ月は調剤業務を中心に行い、その後病棟業務などが開始となり1年間でほぼすべての業務が行えるようになるスケジュールになっています。

薬学実務実習について

当院の薬学実務実習の特徴

  • 指導薬剤師によるマンツーマン指導
  • 病院薬剤師の業務を体験・経験できる実習スケジュール
  • 充実した病棟実習

実習スケジュール

1週目 オリエンテーション(初日)
調剤・注射実習の基礎と実践(2~4日目)
2~3週目 調剤・注射実習、製剤実習、TPN調製
化学療法実習
4~10週目 病棟実習、医療チーム活動への参加
調剤・注射実習、製剤実習、TPN調製
11週目 成果報告

※状況に応じて変更となる可能性があります。

薬学生へ

当院では、改訂モデルコアカリキュラムに沿って薬学実務実習を行っています。
実りある実習となるように指導薬剤師がマンツーマンで指導し、実習生の学習をサポートしています。また、実習を通して病院薬剤師としてのやりがいを感じられるような実習スケジュールを組んでいます。特に、患者さんとの関わりを多く持てるように病棟実習期間を長く設定しています。

11週間の実習期間中に病院薬剤師の業務をたくさん経験し、少しでも多くのことを学んでもらいたいと思います。

専門・認定薬剤師等の取得状況

資格 有資格者数
薬学博士 1名
日本医療薬学会 -
 がん専門薬剤師 2名
日本病院薬剤師会 -
 病院薬学認定薬剤師 11名
 認定指導薬剤師 1名
 がん薬物療法認定薬剤師 2名
 感染制御認定薬剤師 1名
日本薬剤師研修センター -
 認定薬剤師 3名
薬学教育協議会 -
 認定実務実習指導薬剤師 12名
日本緩和医療薬学会 -
 日本緩和薬物療法認定薬剤師 3名
 麻薬教育認定薬剤師 2名
日本化学療法学会 -
 抗菌化学療法認定薬剤師 2名
日本臨床栄養代謝学会 -
 NST専門療法士 2名
日本リウマチ財団 -
 リウマチ登録薬剤師 2名
日本臨床救急医学会 -
 救急認定薬剤師 1名
日本医療情報学会 -
 医療情報技師 1名
日本骨粗鬆症学会 -
 骨粗鬆症マネージャー 1名
日本アンチ・ドーピング機構 -
 公認スポーツファーマシスト 5名
DMAT(災害対策支援チーム) 1名
医療安全管理者 3名

(2022年4月現在)

医療機関、保険薬局の先生方へ

疑義紹介について

当院の院外処方箋において疑義が生じた場合には、薬剤部を通さずに各診療科または医師へ直接連絡をお願いいたします。

服薬情報提供書(トレーシングレポート)

当院へトレーシングレポートを送付する場合は、原則として下記のフォーマットを用いてご記入いただき、FAXでお送りください。

がん化学療法領域に関しては、可能な限りExcelを用いてご記入ください

服薬情報提供書による情報共有は、院外処方箋における疑義紹介ではないことにご留意ください

調剤過誤が発生した場合について

調剤過誤が発生した場合、速やかに患者さん・処方医へ電話で報告をお願いいたします。
当院薬剤部へは、調剤過誤の内容・対処などについて記載のうえ、当該処方箋とともに薬剤部宛にFAXで報告をお願いしております。(報告書の提出は過失を問うためではありません。)

以下の「調剤過誤報告書」をご利用ください。別の様式でもかまいません。

化学療法に関して

化学療法レジメンの照会や、化学療法に関わるその他の相談等に関するお問い合わせにつきましては、薬剤部までご連絡ください。

化学療法に関わるその他の相談等に関するお問い合わせ先

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