宮城県仙台市の総合病院 独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院(とうほくろうさいびょういん)

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糖尿病・内分泌・高血圧内科

糖尿病・代謝内科部門

患者さんへのメッセージ

40歳以上の日本人の5人に1人が糖尿病という時代になりましたが、糖尿病の診断を受けた方全員が“いわゆる病人”と言うことではありません。糖尿病の体質を持ちながら健康人の状態を続け、長生きされる方も多くおられます。適切な養生法を実践された方です。

漢方薬や煎じ薬、血糖値の気になる方用のお茶などを飲んだり、自分なりのやり方ばかりで様子をみていると糖尿病は必ず進行し、治療が難しくなります(先延ばしするほど治療の困難さは増していきます)。そして視力障害や尿毒症、足の壊疽、心筋梗塞、脳卒中といった身体障害者への道を進んでしまうのです。ですから糖尿病対策はできるだけ早く始めることが肝要です。

無理なく糖尿病の養生法をマスターしていただくためには、専門家の話を聞き糖尿病のイロハを知るとともに、実際に体験されることが一番です。皆様がスポーツの選手で、病院の専門スタッフがコーチの役です。当院には専門の試験に合格したコーチ(糖尿病療養指導士)18人がおり、皆様の療養のトレーニングのお手伝いをします。

糖尿病代謝センターは日本糖尿病学会より、糖尿病専門の内科医師を育成する施設として認定を受けており、センターは一般の読者向けの雑誌にも何度か紹介記事が掲載されるなどレベルの高い医療機関として知られています。

さて、教育入院といわれても、忙しい現代人が仕事を休んで入院することは大変なことです。しかし、長い人生において2~3週間の入院は決して長い期間ではありません。しっかり治療をして糖尿病合併症を起きにくくすることがとても重要です。糖尿病体質を持っていても健康人を続けることは、スポーツの名プレーヤーになることと同じです。体験合宿を通してもう一つ上のレベルに進みましょう。受診前には、かかりつけ医師から紹介状をもらい受けてください。

糖尿病・内分泌・高血圧内科では糖尿病以外にも、体質として重なりやすい高脂血症、肥満、高尿酸血症(痛風)、そして今話題のメタボリックシンドロームも担当しています。詳しくは内科受付でご相談ください。

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高血圧内科部門

診療科の特色

若年性の高血圧、2~3種類血圧の薬を飲んでも下がらないといった難治性の高血圧あるいは血圧の変動が大きく評価が困難といった症例に対処する診療科です。高血圧の他、メタボリックシンドロームなどの生活指導にも力を入れ、動脈硬化の予防を目指します。

診療内容

高血圧患者は現在、全国で4000万人と推定され最も有病率の高い生活習慣病で、個々の患者さんで病態も異なります。近年、自己血圧測定が普及し、患者さんの血圧に対する関心は高くなっています。

「病院では血圧は高いが自宅では低い」、あるいは、「病院ではちょうどよいが、朝、自宅で測ると高い」、このような血圧変動に疑問をもたれて来院する患者さんが増えています。当院では、新患の患者さんには高血圧の原因を明らかにするための諸検査、頸動脈、心肥大、血管の硬さ、など高血圧による心臓や動脈の痛み具合を明らかにする検査を行った上で、適切な治療に進みます。

高血圧の95%以上は本態性ですが、近年は、メタボリックシンドロームや睡眠時無呼吸症候群など肥満に起因する高血圧、抑うつやパニック障害などを合併した、いわゆるストレスに起因する高血圧が増えているように思われます。

また、若い頃から血圧が高かった方や3種類以上の降圧薬を飲んでも血圧が安定しない方の場合は原発性アルドステロン症などの二次性高血圧の可能性が疑われるため、できるだけ早い段階で内分泌検査や画像検査などによって血圧上昇の原因を明らかにすることが重要です。

専門分野

生活習慣改善指導および減量指導プログラム
日本人は諸外国に比べ食塩摂取量が多く、これが高血圧の重要な原因になっています。また、近年、食事の欧米化や運動不足を背景に、肥満、高血糖、高脂血症を合併する患者さんが多くなりました。
肥満、高脂血症、高血糖は高血圧と相乗的に動脈硬化をすすめますから、高血圧に合併する肥満と代謝異常の改善は必須です。このような場合、生活習慣の改善こそが最も基本的な治療です。東北労災病院には医師、保健師、管理栄養士、理学療法士がチームを組んで濃密で質の高い生活指導を行う治療就労両立支援センターが併設され、このセンターと連携するシステムが完成されています。このシステムを利用していただくことで、高血圧はもちろんメタボリックシンドロームの方も生活指導をうけていただけます。生活習慣の改善により高血圧や代謝異常が正常化する場合もあります。
また、肥満を合併している患者さんの場合は減量を達成することで高血圧や高血糖のみならず睡眠時無呼吸症候群などの症状の改善も期待できます。外来での減量が困難な患者さんについては、約1ヶ月程度入院しながら生活指導チームの計画に沿って減量に取り組んでいただくプログラムも実施しています。膝や腰などに痛みがあるという高齢肥満の患者さんも入院加療が可能です。
血圧日内変動
血圧はとても変動しやすい生理指標です。特に、精神的緊張で上昇します。どれが自分の本当の血圧かという質問がしばしば寄せられます。このような疑問を明らかにするために、血圧を24時間測定する方法(ABPM)があります。24時間血圧の変動パターンを明らかにすることで、白衣高血圧、仮面高血圧、持続性高血圧の診断が可能となり適切な投薬方法があきらかになります。当院ではすでに5000例を超える実績があり、あらゆる血圧変動パターンの患者さんに対応可能です。
早期動脈硬化の評価と対処
脳、心臓疾患は動脈硬化を基礎におこることがほとんどです。疾患が発症するころには動脈硬化はかなり進行しています。高血圧内科は、疾患の発症予防を目指す診療科ですので潜在的な動脈硬化がないかどうかを全身的に検査し、その結果に応じ、動脈硬化を起こさないあるいはさらに進めないような適切な治療を行います。基本的な検査としては、頸動脈の壁の厚さや動脈硬化性プラークの有無を診る頸動脈エコー検査、脚の動脈の詰まりを診るABI検査(足関節上腕血圧比)、血管の硬さを診る脈波伝搬速度(PWV)、心臓の肥大を診る心エコー検査があります。このような検査は適切な治療を開始する上で極めて重要な情報となります。
高齢者高血圧の評価と治療
高血圧は加齢とともに増加することが知られていますが、高齢者では動脈硬化の進展とともに腎機能、内分泌機能や自律神経活動などの血圧調節に関連した様々な要因に変化が生じてきます。また、高齢の患者さんでは病態や生理機能の面で個人差が大きく、血圧のコントロールに難渋する場合も少なくありません。当院では、このような患者さんの血圧上昇の原因を適切に評価し、それぞれの症状や病態にあわせた生活指導と治療をおこなっています。また、外来での血圧コントロールが困難な患者さんについては入院していただいたうえで全身の臓器障害の精査および降圧薬の調節を実施しています。

主な検査・医療機器

  • 脳MRIとMRA:頭蓋内血管の早期の動脈硬化を評価します
  • 頚動脈エコー:頚動脈硬化度を正確に評価します
  • 心エコー:左室肥大や心機能、弁膜症の有無を正確に把握します
  • 脈派電波速度(PWV)、上腕-足首血圧比(ABI):動脈の硬さと下肢の動脈のつまり具合を検査します。
  • 自律神経検査:血圧と脈拍を連続測定することで、血管や心臓をつかさどる自律神経の働きを検査します。

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糖尿病・内分泌・高血圧内科 医師紹介

[糖尿病・内分泌・高血圧内科部長、糖尿病・内分泌・高血圧センター長]
鴇田 藍(平成14年卒)

専門分野 糖尿病、脂質異常症
所属学会、学位・認定等 医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医
臨床研修指導医の有無 日本糖尿病学会指導医、臨床研修指導医、日本内分泌代謝・糖尿病内科領域専門研修指導医
患者さんへのメッセージ 糖尿病も脂質異常も長くつきあう病気です。上手につき合っていけるようサポートさせていただきます。

[糖尿病・内分泌・高血圧内科部長]
金野 敏(平成11年卒)

専門分野 臨床高血圧
所属学会、学位・認定等 医学博士、日本内科学会認定医、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本高血圧学会専門医、日本職業災害医学会
患者さんへのメッセージ 高血圧の治療は生活習慣の改善や降圧剤の内服をきちんと継続していくことが重要になりますが、長期にわたって安定した血圧コントロールが得られるようお手伝いをしていきたいと考えています。

[糖尿病・内分泌・高血圧内科医師]
熊谷 絵里(平成26年卒)

所属学会、学位・認定等 日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会糖尿病専門医

[糖尿病・内分泌・高血圧内科医師]
鈴木 令子(平成30年卒)

[糖尿病・内分泌・高血圧内科医師]
中村 麻里(平成20年卒)

所属学会、学位・認定等 日本糖尿病学会専門医、日本内科学会総合内科専門医

[糖尿病・内分泌・高血圧内科医師]
亀井 利明(令和3年卒)

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