呼吸器内科

診療科の特色

当科では、常勤医8名、レジデント1名の計9名（2018年度現在）で、呼吸器疾患全般の専門的診療を行っております。病床数は55床で、仙台市内および仙台市近郊の病院や開業の先生方からの紹介患者さんや当院へ救急搬送された患者さんが入院の対象となっています。

当科における入院診療は基本的には主治医制ですが、チーム医療を心がけており、週1回の回診・ミーティングを行うことで、呼吸器内科医師全員で情報共有しています。また、医師、看護師、薬剤師、理学・作業・言語療法士、管理栄養士といった各職種間でも緊密なコミュニケーションをとりつつ診療を行っています。

診療内容

当科では呼吸器疾患全般（肺、気道、胸膜等に生ずる疾患）の診療を行っております。

高齢化に伴い更に増加傾向にある肺癌は、諸検査にて組織診断や病期診断を行ない、科内の医師もしくは症例によっては呼吸器外科、放射線治療科、腫瘍内科、緩和ケア内科の各科医師とのミーティングを行って、治療方針の検討を行っています。診断に際しては、仮想内視鏡（virtual BF）、超音波内視鏡（EBUS-GS、EBUS-TBNA）、蛍光内視鏡を駆使して診断率の向上に努めており、また、検査中の鎮静剤・鎮痛剤の適正使用により苦痛のない検査に努めています。治療に際しては、化学療法、手術療法、放射線療法、緩和医療が全て院内で可能であり、肺癌に対する集学的治療を行っています。近年進歩の著しい肺癌の化学療法においては、適切な標準的治療を選択・実施することにより、良好な治療効果を挙げており、また、治療に際しては、基本的に化学療法センターでの外来化学療法を行っています。

気管支喘息に関しては、医師・薬剤師・看護師が連携する事で、治療継続の必要性や重要性、吸入手技、生活環境の改善等につきご理解を頂きつつ、診療にあたっています。また、難治性喘息の治療にも力を入れており、抗IgE抗体・抗IL5抗体の導入に加え、気管支サーモプラスティにも取り組んでおります。気管支サーモプラスティは、従来治療を十分に行っても日常生活に支障を残す喘息患者さんを対象に、気管支内視鏡下に、気道を加温する事により発作を起こしにくくする治療法で、呼吸器外科と共同で行っており、すでに東北地区では最多となる7症例（2018年3月現在）を実施しております。

COPDに対しては、近隣の開業の先生方と仙台COPDの会という病診連携の会を設立し、COPD診療における地域の基幹病院として診療に当たっております。重症COPDの患者さんに対しては、多職種と共同で包括呼吸リハビリテーションを実施しております。重症肺炎、ARDS、気管支喘息の重積発作、可逆性のある間質性肺炎の増悪などによる重症の急性呼吸不全に対しては、HCU病棟にて人工呼吸管理を行い、早期の呼吸リハビリを通じて、日常生活への復帰を目指しています。肺炎・肺化膿症・胸膜炎などの呼吸器感染症に対しては、ガイドラインに準拠した適切な治療を行っています。

アスベスト曝露によって発症する胸膜中皮腫を含む胸水貯留疾患に対しては、局所麻酔下胸腔鏡等にて診断し、適切な治療を行っています。睡眠時無呼吸症候群に関しては、当院健診部にて診断・治療を行っており、当科より紹介可能となっています。

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• 仙台COPDの会